導入ストーリー(セミナーイベント編)
Let‘s try ライブ配信!
第3章~本配信&検証編~実際に配信してわかった意外なこと
ウェブマーケティングのコンサルティングを専門とするパワー・インタラクティブ社様は、定期的にセミナーを開催されています。学びの多いセミナーには、残念ながら欠点が一つありました。それは、その日・その場所に行かないとセミナーを受講できないこと。より多くの方にセミナーを受講してもらうため、同社はライブ配信の導入を検討されていました。
そこで今回、弊社サービスを活用して、セミナーのライブ配信をテストいただきました。第一章と第二章でライブ配信に必要な機材から、各種設定までをご紹介しました。最終回では、実際にライブ配信した様子と配信に対する評価をご紹介します。
「配信中にダッシュボードで調整し最適値を探る」パワー・インタラクティブ社
大阪でのセミナー開始少し前から、ライブ配信をスタートしました。開始前の会場のざわめきが、臨場感を高めます。
配信しながら、状況に応じて調整できるのが「LiveShell」ダッシュボードの良いところです。スライダーを動かしてビットレート※1やフレームレート※2、静止部画質、動き部画質などを調整していきます。
今回は社内向けのテスト配信です。そのためあえて視聴者の接続環境を複数設定し、有線/無線、PC/タブレットなど多様な状況を試してみます。配信開始後にもチャットやメールで視聴状況を確認しながら、調整を続けていきました。
Live Shellダッシュボード画面
ビットレートについては、マルチデバイスに対応する際には、本来なら視聴側の通信環境やデバイスごとにきめ細かく設定するよう推奨されています。けれども今回は複数設定する余裕がなく、クォリティー優先だったこともあり、2000kbps(2Mbps)に固定しました。フレームレートはコマ数の多い25fpsに設定、講師の動きがほとんどないので動き部画質は低めに設定しました。
「意外な盲点、音が小さい!?」
視聴者とやり取りした結果、映像は良好との反応が返ってきました。ところが、思わぬトラブルが発生します。東京で見ていたスタッフから、音声を聞き取りにくいとの連絡が入ったのです。
セミナールームは20名ほどで満席になるコンパクトなスペースです。だから最後部からの撮影で大丈夫と判断したものの、家庭用ビデオカメラのマイクでは音声を十分に拾いきれなかったのが原因です。
視聴側は必ずしもヘッドフォンを使うわけではありません。そのためボリュームをかなり上げないと、うまく聞き取れないようでした。動画配信では画質に気をとらわれがちですが、セミナー動画の場合は音声が決定的に重要です。これは、今後の配信の際の重要な教訓となりました。
▼小会場にもかかわらずボリュームは大に
▼仕事をしながら遠隔操作もラクラク
「課題を解消すれば、十分に実用性があるライブ配信」
当日、大阪で開催されたセミナーは、東京、大阪の両オフィスに配信しました。
デスクトップで見ると、映像はかなりの迫力です。音声は小さいながらも、音質そのものはクリアで問題ありませんでした。 「画質が安定しているので集中力が途切れることなく、セミナー内容に没頭することができた」と、視聴したスタッフからは合格点が寄せられました。配信動画のクォリティーに関しては、合格点を上回るレベルに達したようです。一方で、デバイス対応、音声、映像の暗さと3つの課題が明らかになりました。
デバイスについては、スマホでの視聴を試したスタッフは、見ることができませんでした。今回はオフィスで視聴することを想定し、PCのみに配信するプロトコルで配信していました。オフィスからもスマホで見たいという声は多かったため、iOSやandroid向けプロトコルでの配信も次回は検討する必要があります。
音声については、ヘッドフォンを付けて見ている分には問題はないものの、スピーカーからだと聞きづらいとの指摘がありました。これについては、講師の声を別のマイクで拾うなどの工夫が必要です。 映像の暗さについては、セミナー会場の設定に関わる問題です。会場ではレジュメを見やすいように、照明を落とします。そのためライブ配信の視聴者からは、画面が暗くて見えにくいとのこと。これは何か対策を考える必要があります。
「次は社外配信をめざす」
今回、NTTスマートコネクト社の協力を得て、高画質の動画配信が思ったより簡単にできることがわかりました。となると社内の教育目的だけに使うのではもったいないので、社外配信が現実味を帯びてきます。
これまでセミナーといえば、一つの会場に集って対面で行うものでした。けれども、ライブ配信システムを活用すれば、対面と変わらない臨場感を伴ってセミナーをお届けできます。これは当社にとっては、顧客との新たなチャネル構築を意味し、事業の拡がりにつながります。 今後は、ライブ配信に適したセミナー開発や、配信環境のブラッシュアップなどの準備を進め、できる限り早い時期に社外配信をスタートさせる意向です。
■NTTスマートコネクトからのワンポイントQ&A
- テスト配信でのチェックポイントは何でしょうか?
- ライブ配信をする際には必ずリハーサルを行ってください。その際、配信できるかどうかだけではなく、インターネット環境、撮影ポイント、音声、照明など当日の状態をできる限り再現し、リハーサルを行うことがポイントです。 また動画配信の事前テストでは、配信側に意識が集中しがちで、受信側のチェックを忘れることがあります。視聴する側の端末環境によって、動画再生や音声のクォリティーは大きく変わってくることも考えられます。可能な限り、視聴側の環境を事前に確認した上でテストをしておくことが、より安定したライブ配信につながります。
- ※1ビットレート:ビットレートとは、1秒間にどれだけのデータ量を転送できるかを表します。基本的にビットレートが高ければ高いほど、画質・音質は向上します。
- ※2フレームレート:フレームレートとは、1秒間にどれだけのフレーム数を処理するかを表します。フレームレートの値が高いほど滑らかな動画配信が可能です。